【セミナー】オリジナル/人気シリーズのIPを長期タイトルへと成長させるために必要な戦略とは…『逆転オセロニア』『ロマサガRS』キーマンが運営施策を振り返る

2020-12-29 12:04:00
12月10日、LINEとSocial Game Infoの共催オンラインセミナー「『逆転オセロニア』『ロマンシング サガ リ・ユニバース』のキーマンに聞く、 IP・オリジナルタイトルの立ち上げ/周年施策の舞台裏」が行われた。 セミナーでは、ディー・エヌ・エーのゲームプロデューサー香城 卓氏、スクウェア・エニックス『サガ』シリーズ プロデューサー市川雅統氏、アカツキ『ロマンシング サガ リ・ユニバース(※スクウェア・エニックスより配信)』(以下、ロマサガRS)プロジェクトリーダー須河史朗氏が登壇。 タイトルの立ち上げと長期運営を盛り上げるための施策や、マーケティングにおける考え方などが語られた。本稿では、セミナーの内容についてレポートをお届けしていく。 ■『逆転オセロニア』がリアルイベントを重視する理由とは?  【登壇者紹介】 〇香城卓(けいじぇい)氏2014年より『逆転オセロニア』を企画・開発を担当。現在はプロデューサーとして同タイトルの事業運用に関わる。『逆転オセロニア』ファンコミュニティ内では「けいじぇい」の愛称で知られている。 2021年2月で運営5周年を迎えるオリジナルゲームアプリ『逆転オセロニア』。現在は2800万ダウンロードを突破しているほどの人気作品だが、リリース直後から成長フェーズを迎えるまでに11か月を必要とするなど、DAUが伸び悩んでいた時期もあったようだ。  成長フェーズを迎えるまでの期間、『逆転オセロニア』はとにかく多くの全国ツアー形式のリアルイベントを開催したという。現在はプロダクトそのものではなく、プロダクトを取り巻くプレイヤーの集合知が全ての価値を決める時代であり、人気声優やグラフィックの良さをアピールしてもあまり効果が得られないと考えたそうだ。香城氏の狙い通り、『逆転オセロニア』は無事に成長フェーズを迎えることに成功する。 着々と知名度をのばしていく『逆転オセロニア』だったが、2018年、ゲームバランスを崩壊させてしまうほどの強力なキャラクターを登場させてしまい、炎上してしまう。さらにその翌年、運営が意図していない形でキャラクターの強化を行うプロモーションを行ってしまい、プレイヤーからの信頼を大きく落としてしまうことになる。 プロモーションの失敗を真摯に受け止めた香城氏は、イベント中に作品ファンに対して謝罪。作品のデータ公開やプレイヤーからのコメントに対応するYouTubeライブ配信を4か月間行うなど、信頼構築のための努力を続ける。その結果、4周年のイベントでは、多くのプレイヤーがゲームに復帰し、「オセロニアンで良かった」といった声援が溢れる結果になった。以上の経験を踏まえ、香城氏は「運営がどのようなスタンスでプレイヤーや課題に立ち向かっているかが、(作品の)大きな評価軸になっている」と結論づける。運営に対する信頼はもちろん、これからは運営のエンターテイメント性も図られていく時代になっていくと確信しているとも話した。 また、昨今のコロナの影響でリアルイベントの実施が困難にはなったが、ZOOMを使った2on2のオンライン全国大会「オセロニアンダブルス 2020」など、新しい試みを行っていると紹介。今後もオセロニアン同士が楽しめるようなイベントの開催を考えていると話し、セッションをまとめた。  ■ファンが喜ぶ施策をとことん追及する姿勢を貫く『ロマサガRS』  【登壇者情報】〇市川雅統氏(写真左)スクウェア・エニックス所属の「サガ」シリーズプロデューサー。HDリマスター版『ロマンシング サガ3』、好評配信中のスマートフォン向けRPG『ロマンシング サガ リ・ユニバース』などのプロデュースを務める。 〇須河史朗氏(写真右)2016年4月に株式会社コロプラにエンジニアとして新卒入社。入社後プランナーに転向し、『白猫テニス』で企画・開発を担う。2019年よりアカツキにて『ロマンシング サガ リ・ユニバース』を担当。2020年1月にプロジェクトリーダーに就任する。 プロデュース・マーケティングをスクウェア・エニックス(以下、スクエニ)が、企画・運用をアカツキが担当している『ロマサガRS』。市川氏によると、2020年12月6日で2周年を迎えた本作をより盛り上げるべく、スクエニ・アカツキ間で連携を密にとり、ブランドサポートやプロモーションに関するアイディアの交換を活発に行っているという。 須河氏も「アカツキ内でもサガファンが多く、やりがいを持ってやらせてもらっている」と気合十分な様子を見せる。 両社の体制として、お互い良い関係性となっておりありがたく感じていると話す市川氏。それぞれの役割を定めているが、実際は共にシリーズを盛り上げていく企画やマーケティングを考えている体制となっているそうだ。 ただ『ロマサガRS』だけを運営していくだけでなく、共にファンやシリーズ作品全体を考えられる間柄として意見を言い合える環境が成り立っているそうだ。ここには、「サガ」シリーズを常に今より良いコンテンツにしていきたいという市川氏の考えもあり、できる限り、メンバーの話を立場関係なく直接聞くようにしているそうだ。「サガ」シリーズは30年の歴史があり、『ロマンシング サ・ガ』や『サガ フロンティア』、『サガ スカーレット グレイス』など、それぞれの作品にファンがいる作品であるため、“ファンの人達にどれだけ楽しんでもらえるか”を一番大切にしているという市川氏。「ファンの人ともっと向き合う運営をしたい」という考えから、2周年を記念するCMにアーティスト・山崎まさよし氏の起用を決めたそうだ。 実は山崎氏は、2005年に発売されたPlayStation2専用ゲームソフト『ロマンシング サガ -ミンストレルソング-』にて、テーマソング「メヌエット」の作詞・作曲を担当している。ファンにとっても思い出深いアーティストを起用することで、市川氏は「俺たちは過去のタイトルを忘れていない」というメッセージを送る狙いがあったと続けた。 ●参考動画:【ロマサガRS】2周年TVCM 「ロマサガファンに。」篇 セミナーの後半では、2020年4月に始動した佐賀県と「サガ」シリーズとの連携企画「ロマンシング佐賀2020」について語られる場面もあった。期間中は、ゲーム内に佐賀県が出現、佐賀県とコラボしたボスキャラクターが登場するといったイベントも行われ、大きな話題を呼んでいた。さらには、佐賀市まちなかの歩道に世界初となるドットキャラクターをあしらったマンホール「ロマンシング佐賀マンホール」の設置や、デジタルスタンプラリー企画、オリジナルコラボグッズの販売など、様々な企画が実施。 「ロマンシング佐賀2020」の企画を振り返りつつ、最後に市川氏が“今後も広く色んな意見を取り入れながら、「サガ」シリーズをプレイしたことがない人にも、面白いと思ってもらえるような案を考えています”とまとめ、セッションを終了した。  ■質疑応答 セミナーの最後のパートでは、登壇者の3人が視聴者からの質疑応答に対応する時間が設けられており、視聴者からはマーケティングにおける考えなど数多くの質問が寄せられた。以下では、質疑応答の模様を一部お伝えする。 ——リアルイベントを行う上で重視したポイントを教えてください。 香城卓氏(以下、香城氏):実際にリアルイベントの会場に来る時には、どのような会場で、どんな人が参加するのかを不安に感じているファンも多いと思います。弊社では会場の様子を録画するなどして可視化し、ファンの皆さまがイベントをイメージしやすいように努めました。参加者の不安を取り除いてあげることが、何より重要だと思っています。 ——オンライン大会「オセロニアンダブルス 2020」の反響はいかがでしたか? 香城氏:大会に参加してくださった方からは好評だったのですが、視聴者の皆さまにはイベントの雰囲気が伝わりづらい部分がありました。予選までのプロセスなど、まだまだ配信が出来ていない部分が多く、リアルイベントとは違う魅力と難しさを感じています。 ——『ロマサガRS』のリリースを行う際に、印象に残ったエピソードはありますか? 市川雅統氏(以下、市川氏):30年もの歴史があるタイトルなので、『ロマサガRS』はどうすれば「サガ」シリーズらしい作品に出来るのか、調整に苦労しました。企画を立ち上げた2015年の時期は、他にも面白いオールスター作品が出ていたため、そういったタイトルとどのようにして差別化を図れば良いのか、プレッシャーもありましたね。 ——リリース後に手ごたえを感じたのはいつ頃でしたでしょうか? 香城氏:タイトルを2、3年と続けていく計画だったので、数字以上の実感はあまりありませんでした。リアルイベントで確かな手ごたえを感じていましたので、どこかのタイミングでヒットするとは思っていました。 市川氏:(リリース後も運営されていく)スマホゲームを運営するにあたって、手ごたえが感じられる瞬間というのはなかなか難しいのかもしれません。私は「業界内外で身近にいるサガファンが喜んでくれれば成功」という気持ちはありますが、その企画が多くの人に受けいれてもらえるかどうかは、別の話と考えていますね。 ——作品のプロデューサーやディレクターの方が顔を出してPRを行うことは重要だと思いますか? 香城氏:色んなジャンルのゲームがある中で、他の作品との差別化が難しくなってきていると思います。そのため、プロデューサーやディレクターなどの人柄、パーソナリティといった再現性が無いものにこそ、価値が高まっていくのだと思います。作品に関係している方々が顔を出すという行為は、今ではアプリコンテンツとしての手法のひとつになっているように感じます。 須河史朗氏:『ロマサガRS』はファンの皆さまがすごく温かく、作品を盛り上げようといった熱量を強く感じています。そんなファンの皆さまの期待に応えるべく、一緒に作品を作り上げていくという姿勢を見せるためにも、しっかりと顔を出していきたいと思っています。市川氏:自分だけで考えると、元々は顔を出したくないなと考えていました。ただ、ファンのみなさんの中には、どんな人が「サガ」を作っているのか、「自分が子供の頃に好きだったものをどこの誰とも分からない人間が変にいじくりまわしてしまうのではないか」という心配を抱く方もいるはずなんですよ。私自身もかつて慣れ親しんだものは絶対に大事にしたいし、今後も広げていきたいと思っています。信頼してもらうという訳ではないですが、「サガ」を大事にしていきたいという想いを伝える為にTwitterでの発信や顔を出すことも大事だと考えるようになりましたね。 ■ゲームのプロモーションに活用可能なLINEの広告サービス 本セミナーではLINEの広告サービスも紹介された。ゲームプロモーションにおいては事前登録からリリース後・周年と様々なフェーズがあるが、LINEでは各フェーズで活用可能な広告サービスが用意されている。  LINE公式アカウントを活用すれば、メッセージ配信を通してゲームリリース前から、周年タイミングの告知・休眠復帰まで幅広いコミュニケーションを行うことができる。 他にも、LINEプロモーションスタンプを活用することで、リリース前の認知獲得やユーザー間のコミュニティ形成も行えるそうだ。 さらに、LINEのトークリスト最上部に1日1社限定で動画広告が掲載できるTalk Head Viewは、1日約5,000万UU(2019年6月実績)へのリーチが可能なメニューだ。単体でもテレビCMに匹敵するリーチ数だが、CM放映タイミングに合わせて活用することで、更なる認知拡大やブランドリフト効果が期待できるそうだ。 最後に、運用型広告であるLINE広告は8,600万人(2020年9月時点)のユーザーに対して広告配信が可能なサービスだ。 ▲『逆転オセロニア』『ロマサガRS』でも、LINE広告・Talk Head Viewが活用されていた。​これらの各サービスを組み合わせて活用することで、効果的なプロモーションが実現できると、LINEの冨永氏は語った。  現在LINE社では、ゲームプロモーションにおける活用事例や、各サービスについての詳しい情報をまとめたe-bookを無料配布中だそうだ。この機会にダウンロードしてみてはいかがだろうか。e-bookのDLはこちらオセロ・Othelloは登録商標です。TM&(C) Othello,Co. and MegaHouse(C)2016 DeNA Co.,Ltd. (C)2018-2020 SQUARE ENIX CO., LTD. All Rights Reserved.Powered by Akatsuki Inc.ILLUSTRATION: TOMOMI KOBAYASHI   
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